朝来市役所 上下水道部

INTERVIEW
− 安心を守る人たち−

朝来市役所
上下水道部


主事 丸山 貴史

今回は、兵庫県朝来市都市整備部の丸山貴史上下水道課主事に登場いただきました。

朝来市はフラクタのAI技術を劣化診断のみならず、欠損データの補完にまで応用した自治体で、丸山さんはデータ整理などを担当された。市役所に入る前は民間企業に勤め、地元に戻り入庁してから水道3年目となる丸山さんが語る水道のイメージとは。


大小多岐にわたる仕事が当たり前を守る

朝来市の水道を担当する職員は、部課長含めて4名。現場実務は実質、丸山さん含めて、わずか2名で切り盛りしている。自ずと一人で複数業務をこなさなければならず、覚えることは多い。入庁前は、秤やマイクロピペットなどの計量機器を取り扱う会社に勤めていたことから、配属先が水道と聞いた時にイメージした業務は水質検査。だが、実際は「開閉栓などの問い合わせを電話や窓口でお受けしたり、家先に行って開閉栓作業をしたり、漏水が発生した時には修繕会社を手配しなければならないし、または水道メーターの管理業務まで含めたら大小多岐」にわたっていた。

それまでは「水道と言ったら、〝水が出て当然〟〝料金は高い〟〝仕事が地味〟といったイメージだった」という。一般市民が思うであろうイメージそのものだが、「その当たり前を守ることがどれほど大変なのかを知り、市民にそれが伝わっていないのが少し悲しい」と語る。


家族、地元の温かさを糧にして

そうした地味な水道への最大の理解者が家族であり、地元・朝来市の温かい人々だ。「前の職場では、漏水対応で休日や夜間に突然、外出しなければならないようなことはありません。妻も始めの頃は『これから出かけるの』とびっくりしていましたが、今は『皆のためにしている仕事なので、家族に多少迷惑かかるのは仕方がない』『大変やな。お疲れさま』と言ってくれる」そうだ。〝町の水道を守っているのですからね〟と話を振ると、「そんな大層なことはしていない」と照れる姿はまさに水道人だ。

さらに、「朝来市の人は優しい方がたくさんいるし、〝自分たちの町〟への関心、思いが強く、都市部にはない田舎ならではの良さがある。例えば、漏水があったと連絡が入り、急行すると『来てくれてありがとう』と一声かけてくれる。現場では『また漏水したんか』『はよ直してな』などと厳しい意見をいただくこともあるが、そうした市民、お客さまが知っている情報を直接聞くのは大事。

修繕を終えて、『直してくれてありがとな』と言っていただけるのは、この仕事の良さだし、やり甲斐につながっている」と力を込める。そうは言っても、「家族といる時間をもっと大事にしたい、何より市民、お客さまに迷惑がかかる漏水を極力減らしていく」ためには、修繕の事後保全ではなく更新の事前予防に、フラクタのAI劣化診断が役立つことが期待される。


水道のこれからを形作るために

入庁1年目は、目の前の業務をこなすのが精一杯だったのが、2年目となると担当業務も一通り把握できている。

「100年前に人力頼りだったことが、今は機械やパソコンを使って行うのが当たり前になったように、個人的には先々を見据えて、良いものはどんどん使っていった方がいいと思う」と、昨今話題のスマート水道メーターなどIoT/ICT技術を積極的に情報収集している。

その意味で、フラクタのAI技術も楽しみだったという。

上司の小谷康人上下水道課長は丸山さんの仕事振りについて、「固定観念にとらわれず、新しい取組みも抵抗なく一生懸命してくれる。今の仕事をしっかり自分のものにして、朝来市の水道のこれからを担ってほしい」と期待している。課長からの寸評に、「管路劣化診断も費用をかけたのだから、導入して終わりではなく、こんな使い方ができるのではと提案できるようにならなければ」と、そのプレッシャーをバネに変え、市民、お客さまからの感謝に応えていく。